COLUMN
コラム
  1. HOME
  2. COLUMN
  3. トレーラーハウスの基礎知識
  4. トレーラーハウスのトイレ事情! 仕組みや注意点など

トレーラーハウスのトイレ事情! 仕組みや注意点など

住居や店舗、オフィスなど多彩な用途で利用されているトレーラーハウス。その快適な生活や事業運営のために欠かせないのが「トイレ設備」です。通常と同様の水洗トイレを設置できるのか、移動式ならではの制約や注意点はあるのかなど、さまざまな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、トレーラーハウスのトイレの種類や仕組み、設置時の注意点、法的なポイントなどについて詳しく解説します。

トレーラーハウスのトイレの種類と仕組み

トレーラーハウスにはどのようなトイレを設置できるのか、まずはその種類と仕組みから説明します。

下水道や浄化槽への接続による水洗トイレの利用

通常はトレーラーハウスでも、一般住宅と同じような水洗トイレを設置して使用します。

設置場所に下水道が整備されている場合は、外部の排水管とトレーラーハウスのトイレを接続すれば、快適な水洗トイレとして利用できます。下水道がない場合は、浄化槽を設置し、そこに排水を流す方法を採用するのが一般的です。

どちらの場合も、トイレの排水を適切に処理できるため、臭いや衛生面の不安は少なく、長期利用や家族での居住、店舗・事務所用途にも適しています。

貯水タンクを使用した汲み取り式トイレの利用

設置場所によっては、下水道や浄化槽の利用が難しいケースもあります。その場合は、貯水タンクや専用カセットを使った汲み取り式トイレ(ポータブルトイレや簡易水洗トイレ)を採用するケースもあります。

この方式は、排泄物をタンクに一時的に貯めておき、定期的に汲み取りや交換を行います。水道が使えない場所や、短期間の利用、イベント・仮設用途などに向いていますが、長期利用や利用人数が多い場合は衛生管理や手間が増える点に要注意です。

また、汲み取り式の場合は、定期的な処理や清掃が必要となるため、維持管理の手間やコストも事前に考慮しておく必要があります。

トレーラーハウスのトイレ設置における注意点

次に、トレーラーハウスにトイレを設置する際の注意点を見ていきましょう。

ライフライン接続時の着脱可能なアタッチメントの使用

水洗式トイレを利用する場合は、下水や浄化槽への排水管の接続方法に注意してください。法律上、トレーラーハウスが「建築物」とみなされないためには、工具を使わずに簡単に着脱できるアタッチメント(カムロックなど)を使用することが必要です。建築物とみなされると、建築基準法の規制や固定資産税課税の対象となってしまいます。

着脱式の接続を採用することで、そのトレーラーハウスは「随時かつ任意に移動できる」状態を維持できます。着脱が難しい恒久的な配管は避けましょう。

なお、電気や給水の接続も同様に、特殊な工具を使わず簡単に着脱できる方式を選択することが、建築物とみなされる事態を避けるためのポイントとなります。

浄化槽設置時の自治体への確認と許可取得

下水道が整備されていない場所で浄化槽を設置する場合は、自治体への事前相談と許可の取得が不可欠となります。浄化槽の設置には、建築基準法や浄化槽法に基づく届出・許可が必要な場合があり、設置場所や規模によっては追加の排水処理や検査が求められることもあります。

また、浄化槽の維持管理や定期点検、清掃も法律で義務づけられています。そのため、設置後も定期的なメンテナンスが欠かせません。自治体によって運用ルールや補助制度が異なるので、必ず事前に確認しましょう。

トレーラーハウスのトイレに関する法的留意点

トレーラーハウスのトイレを設置する際は、特に以下の2つのポイントに留意しましょう。

「随時かつ任意に移動できる」状態の維持

上述したように、トレーラーハウスが「車両」として扱われ、建築物とみなされないためには、「随時かつ任意に移動できる状態」を維持することが大前提となります。このことは、建築基準法の「建築物」の定義や国交省通達などから一般的な認識として定着しています。トレーラーハウスが建築物と判定されると、通常の住居や店舗と同じ扱いを受けることになり、トレーラーハウスであることのメリットを活かしづらくなります。

「随時かつ任意に移動できる」と認められるための主な要件としては、以下が挙げられます。

  • 階段・デッキ・ポーチ等が移動の妨げにならない
  • 給排水や電気などのライフラインが工具不要で着脱できる
  • タイヤが外されていない、かつ走行可能な状態に保たれている
  • 設置場所から公道に出るための通路が確保されている
  • 公道を適法に走行できる状態であること

これらに加えて、トイレや水回りの配管が簡単に着脱できる仕組みであることも求められます。特に、トレーラーハウスから出たトイレの排水管や給水管が直接地中に埋設されていたり、コンクリート基礎に固定されていたりする場合は、「随時移動可能」とは認められないため注意が必要です。

特殊な工具を使用しない接続方法の重要性

トレーラーハウスのトイレを水洗式で利用する場合の排水管や給水管の接続は、「特殊な工具を使わずに着脱できる」ことが重要です。

例えば、カムロックやワンタッチカプラーなどの専用アタッチメントを使えば、誰でも簡単に配管の着脱が可能になります。

この要件を満たさず、恒久的に配管を接続してしまうと、行政から「建築物」と判断される恐れがあります。トイレ設備の選定や設置工事の際は、業者ともコミュニケーションを取り、必ずこのポイントを確認しましょう。

また、設置後に自治体の現地調査や確認を受けるケースもあります。法的な要件を満たしているかどうかを第三者に証明できるよう、配管や接続部分の写真や仕様書を残しておくことをおすすめします。

トレーラーハウスのトイレ事情と快適な利用のために

トレーラーハウスのトイレは、設置場所や利用目的に応じて水洗式・汲み取り式など複数の選択肢があります。快適な利用のためには、ライフラインの接続方法や法的な要件をしっかり守ることが不可欠です。特に「随時かつ任意に移動できる状態」や「着脱可能な配管」の維持は、税制や法規制上の大きなポイントとなります。

設置前には自治体や専門業者と十分に相談し、必要な手続きやメンテナンス体制も確認しておきましょう。適切なトイレ設備と法令遵守で、トレーラーハウスでも安心・快適な生活環境を実現してください。

“luxury trailer house MOSS”は、ラグジュアリーテントの最高峰MOSS TENTSのDNAを受け継いだ唯一のトレーラーハウスです。トイレ設備は水洗式で、モダンなデザインの温水洗浄便座を完備。設備の機能性だけではなく、アクセントクロスの優雅な草花のモチーフが空間を彩り、ラグジュアリーな非日常感を演出しています。

“luxury trailer house MOSS”は、東京・豊洲に実物を展示しております。ぜひその世界観を体感してみてください。


この記事をシェアする
この記事のカテゴリー

関連記事

  • トレーラーハウスの水回りやインフラ設備について解説

    トレーラーハウスの基礎知識
  • トレーラーハウス内装の基本とおしゃれな空間作りのコツ

    トレーラーハウスの基礎知識

カテゴリー

人気記事

  • 1

    トレーラーハウスとは?魅力や活用法を詳しく解説

    トレーラーハウスの基礎知識
  • 2

    トレーラーハウス内装の基本とおしゃれな空間作りのコツ

    トレーラーハウスの基礎知識
  • 3

    トレーラーハウスの水回りやインフラ設備について解説

    トレーラーハウスの基礎知識
  • 4

    トレーラーハウス購入で後悔しないための注意点

    トレーラーハウスの基礎知識
  • 5

    コンテナハウスとトレーラーハウスの違いを徹底解説

    トレーラーハウスの基礎知識