牽引車によって移動可能なトレーラーハウスは、現在、住居や店舗、オフィスなどさまざまな用途に活用されています。そこで重要になるのが、快適な生活や事業運営を支える水回りやインフラ設備の充実。この記事では、トレーラーハウスのキッチンや浴室といった水回り設備の基本構成から、電気・ガスなどのインフラ接続方法、導入時の注意点まで、実用的なポイントについて解説します。
トレーラーハウスのキッチン・浴室・トイレは、基本的に一般住宅と同じような設備を設置できます。ただし、給水(水道)と排水の接続については、着脱式の方式を選ぶ必要があります。そのことを踏まえて、水回り設備の基本構成についてみていきましょう。
キッチン設備を設置する際は、限られたスペースと動線を意識しながら、機能性と安全性を両立させることが重要です。一般住宅と同じようにシステムキッチンを入れるのが主流ですが、目的やデザインにあわせて選ばれます。
トレーラーハウス向けのシンクは、コンパクトなステンレス製や樹脂製が主流。キッチンスペースの広さに合わせて1槽タイプや1.5槽タイプを選び、作業のしやすさを考えて配置・固定します。
給水は外部水道管からホースやカプラーで接続する方式が一般的です。排水は外部排水管への着脱できる形で接続します。
いずれも工具不要で着脱できるアタッチメントを使うことで、移動時の対応が容易になります。
調理器具は、システムキッチンに含まれたIHクッキングヒーターかプロパンガスコンロに加えて、ビルトインのミニキッチンユニットなども人気です。
IHクッキングヒーターの場合は、分電盤から専用回路をつないで電源を確保。ガスコンロの場合は、プロパンガスボンベをホースなどで安全に接続します。
浴室設備も一般のシステムバスを導入するケースが大半です。一方、バスタブが必要ない場合やスペース効率を重視してシャワールームのみを導入するケースもあります。
省スペース設計のユニットシャワーが最も一般的です。防水パネルと排水パンを組み合わせることで、限られたスペースでも快適にシャワーを利用できます。
大型のトレーラーハウスでは、スペースの余裕を活かして160cm×140cm程度のシステムバスを導入するものが多くあります。小型のトレーラーハウスではスペース効率の観点からビジネスホテルのようにバスタブ・洗面台・トイレが一体となったいわゆるユニットバスがよく選ばれます。
トレーラーハウスでは、給水・排水に加えて電気・ガスについても着脱可能な接続方法を選ぶ必要があります。
外部の母屋や電柱などの家庭用交流電源(100V/200V)を確保し、トレーラーハウスの外部に設けた防水仕様の専用コンセントに専用ケーブルで接続します。
引き込んだ電源は、トレーラーハウス内の分電盤に接続され、各部屋や設備に配電されます。この外部電源ケーブルは、特殊な工具を使わずに簡単に抜き差しできる仕様です。
上記の方法で、冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなどの家電が利用可能になります。ただし、契約容量に応じて、同時使用台数や消費電力を管理する必要があります。漏電ブレーカーやアース工事も必須です。
トレーラーハウスでは、プロパンガス(LPガス)の利用が一般的です。
プロパンガスのボンベを屋外に設置します。ガス販売店に依頼すれば、搬入・固定・減圧器の設置を行ってくれます。
減圧器からガス機器(コンロ、給湯器など)までは、ガスホースや金属配管で接続します。その際、着脱式(カムロックやワンタッチカプラーなど)の接続方式を選択します。これにより、移動時や点検時に工具不要で外せます。ガス漏れ警報器の設置や定期点検も必須です。設置時は、有資格者によるガス漏れチェックと動作確認を必ず行いましょう。
最後に、水回り設備を導入する際の注意点を2点挙げて説明します。
ここまで何度か述べたように、トレーラーハウスに給水・排水(電気・ガスも同様)設備を接続する際は、特殊な工具を使わずに着脱できる方式を採用する必要があります。
これは「随時かつ任意に移動できる状態」を維持するためであり、これを怠るとそのトレーラーハウスは「建築物」とみなされ、建築基準法の規制や固定資産税の課税対象となります。
税制上のメリットや可動性を維持するには、常に「随時移動できる状態」を保っていることが重要です。
給水管・排水管の漏れや詰まり、ガス配管の劣化、電気配線の緩みなどを防ぐには、定期的な点検が不可欠です。早期に異常を発見し、必要な修理や交換を行うことで、大きなトラブルや事故を未然に防げます。
浴室やキッチンの排水トラップの清掃、浄化槽や汚水タンクの定期的なメンテナンスも欠かせません。衛生的な環境を維持するために、こまめな清掃や換気を行いましょう。
特に冬季は、配管の凍結を防ぐことが必須です。また、結露が発生しやすい環境では十分な換気や断熱対策を施し、設備の劣化やカビの発生を防ぎましょう。
トレーラーハウスの水回りやインフラ設備は、一般住宅に近い快適性を実現するために欠かせないものです。正しい設置方法やメンテナンスのポイントを押さえれば、長く安心して利用できる空間を作ることができます。導入時には信頼できる専門業者に相談し、自分のライフスタイルや用途に合った環境を整えてください。
“luxury trailer house MOSS”は、ラグジュアリーテントの最高峰MOSS TENTSのDNAを受け継いだ唯一のトレーラーハウスです。専用設計のキッチンには、木目が美しい木材を採用。温水洗浄便座付きの水洗トイレや独立洗面台、シャワールームなど、必要な機能をしっかり備えながら、大人の感性に響く趣のある内装に上質な暮らしを叶えます。