トレーラーハウスとは、その名のとおり「牽引して移動できる家」です。法的にはエンジンを持たない「被牽引自動車」に分類され、日本では基本的に「車両を利用した工作物」として扱われます。
実は「トレーラーハウス」という言葉は和製英語で、発祥の地であるアメリカでは「モービルホーム(Mobile Home)」などと呼ばれます。車両の土台となる「車台(シャーシ)」と、居住空間となる「上物」から構成され、通常、特定の場所に設置して一定期間使用することを想定して設計されています。
トレーラーハウスの魅力はまず、設置場所や用途を変えられる柔軟性にあります。タイヤが付いているので必要に応じて移動することが可能で、住居や店舗、事務所など多様な用途に使用できます。
また、設置状況にもよりますが建築確認申請が不要(自治体による例外あり)で、固定資産税がかからないケースが多いのもポイントです。家を建てることが難しい市街化調整区域にも設置できる場合が多いなど、土地活用の選択肢が広がります。
さらに、基礎工事が不要なので初期費用や維持費を抑えやすく、コストパフォーマンスにも優れています。
トレーラーハウスは、サイズにより大きく2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、用途に合ったものを選ぶことが重要です。
トレーラーハウスは、道路運送車両法で定められたサイズ(全長12m、全幅2.5m、全高3.8m)を基準に分類されます。
保安基準内のサイズで、高速道路を含めた公道走行が可能です。大型のトレーラーハウスに比べると必要になる手続きなど移動に関する制限が少なくて済みます。
保安基準を超えるサイズで、移動の際は「基準緩和認定書」と「特殊車両通行許可証」の取得が必要になります。手続きに時間がかかること、高速道路が通行できないこと、一般道路でも走行時間や速度が限られるなど移動に関して制限があります。一方で、広々とした空間を確保できるため多彩な用途に利用できます。
トレーラーハウスの導入には、本体価格の他に運搬費や設置費などが必要です。
内装やオプション設備などによって、価格は異なります。シンプルな小型モデルと、設備やインテリアにこだわった高級モデルでは、金額も大きく変わってきます。
目的地までの運搬費が必要となります。運搬費は距離や車両サイズ、輸送の仕方によって変わります。設置費は、トレーラーハウスを設置し水平を調整する作業の費用です。設置に使う専用ジャッキの費用などもあります。
小型のトレーラーハウスの場合、輸送料金の移動距離と費用の目安は以下の通りです。この料金に加えて、基本料金や作業員の出張費などが発生します。
一例として、長さ9m×幅2.4m×高さ3.8mの小型に分類されるトレーラーハウスを400km運搬する場合の費用は、基本料金(50,000円)+輸送費用(400,000円)+出張費(作業員2名、24,000円)=474,000円 が目安となります。
トレーラーハウスの本体や輸送設置費のほかに、電気、水道、ガス(プロパン)などライフラインとの接続工事費が必要となります。
自動車税などは発生しませんが、事業用として利用する場合は償却資産税の対象となることがあります。住宅と同じように、必要に応じて火災保険(動産保険)なども検討します。
階段やウッドデッキ、搬入用重機や追加工事が必要な場合は別途費用が発生します。
トレーラーハウスは、個人利用からビジネスまで幅広いシーンで活用されています。具体的にみていきましょう。
住居としては、別荘やセカンドハウス、母屋の離れなどとしてよく利用されています。一般住宅と同様、水洗トイレやキッチン、シャワーなどを完備でき、快適な生活空間を作れます。ライフステージの変化に合わせて、子供部屋や趣味の部屋として活用することも可能です。
店舗としては、カフェや飲食店、美容室、物販店などとして活用されています。また、サテライトオフィス、建設現場の事務所、休憩所、グランピング施設やコテージ、ホテルなどの宿泊施設としても利用できます。
加えて、公園のトイレや喫煙所、災害時の仮設診療所や発熱外来など、公共性の高い施設としての導入例も多くあります。特に被災地では、仮設住宅やボランティア拠点として、迅速な設置が可能な点が注目されています。
トレーラーハウスの導入時には、設置場所の確認や法的な手続きを正しく行うことが欠かせません。導入手順と注意点について説明します。
一般的な導入プロセスは以下のとおりです。
販売会社に連絡し、用途や予算などの希望を伝えます。
設置場所の現地調査を行い、仕様を確定して見積もりを作成します。
契約を締結し、製作を開始します。
トレーラーハウスの製作と並行して、設置場所の地盤整備やライフラインの工事を進めます。
トレーラーハウスを現地に運搬・設置し、最終確認を経て引き渡しとなります。
後々のトラブルを避けるため、以下の点に特に注意が必要です。
トレーラーハウスを設置できる土地かどうか、事前にしっかり調査を。トレーラーを運搬するための十分な道幅があるか、地盤が車両の重量に耐えられるか、大きな傾斜や段差がないかを確認します。
設置予定地が市街化調整区域や農地などに該当する場合や、独自の規制を設けている自治体の場合、自治体への届出や許可が必要になるケースも。事前に役所の担当窓口や専門家へ相談しましょう。
電気・水道・ガスなどのインフラをどこから引き込むか、接続工事が可能かを確認します。
移動できる自由さと経済的なメリットを兼ね備え、住まいやビジネスの可能性を大きく広げるトレーラーハウス。建築物とは異なるため、設置場所の制約が少なく、店舗や事務所、離れ、災害時の仮設施設など、アイデア次第で多様な活用が可能です。トレーラーハウスという新しい選択肢を視野に入れて、理想のライフスタイルやビジネスを実現してみてはいかがでしょうか。
“luxury trailer house MOSS”は、ラグジュアリーテントの最高峰MOSS TENTSのDNAを受け継いだ唯一のトレーラーハウスです。様々な場所に設置できるトレーラーハウスの魅力はそのままに、大人の感性に響く趣のある内装に上質な暮らしを叶える機能性を兼ね備えています。
クルーザーが海上のラグジュアリーと自由を象徴するように、陸における無限の開放感とプライベートリトリートを実現します。